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哲学・思想の専門古書店「星林堂」店主の日々録
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星林堂では、8月10日~13日の4日間、お盆休みをいただきます。
この間にご注文をいただきました方には、14日以降の返信になります。
ご迷惑をおかけしますが、宜しくお願いいたします。
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稲生物怪録と妖怪の世界
みよし風土記の丘にある歴史民族資料館に、「稲生物怪録」の展示を見に行ってきました。

「稲生物怪録」とは、1749年(寛延2)の夏、三次に住む16歳の稲生平太郎が一ヶ月間にわたり自宅で遭遇した怪現象を記録したもの。本人が記述したとされる本をはじめ絵本、絵巻が数種類残っています。国学者の平田篤胤に注目されたことから、全国に広まったようです。

実は5年前の2006年、同じくこの歴史民族資料館で大規模な「稲生物怪録と妖怪の世界」展が開かれ、ほとんど予備知識がないまま会場へ赴いたのですが、あまりの面白さにたちまちマイブームに。三次ではその後、毎年のように「妖怪」がらみの催しが開かれていますので、そのたびに「今年の趣向はどんなかな?」とワクワクしながら足を運ぶようになりました。

今年は「稲生物怪録」の写本2種類が展示され、ロビーにストーリーをパネルで解説したものが貼り出されていました。規模が小さくて少しがっかり。でも、2006年の「稲生物怪録展」の図録がゲットできたので、それだけでもまぁ良かったかな。

星林堂では、この図録と、児童書や絵本になった平太郎もの4冊を販売します。お岩さんや累ヶ淵といった日本の有名な怪談は、ドロドロした人間関係が描かれているものが多く、児童書向きとは言いがたいのですが、この「稲生物怪録」は主人公・平太郎の肝試し物語であり、成長の物語とも読むことができます。“成長”は児童書としては格好のテーマ。試練に打ち勝った平太郎を魔物の王「山ン本五郎左衛門」が賞賛し、褒美に願いが叶う木槌を手渡す場面は絵に描いたようなクライマックス(実際、絵巻になってるんだけど)で、登場する妖怪たちも他に類を見ないユニークさです。これを絵本にしない手はないよね。

魔王が残した木槌は今も広島市の国前寺に現存していてお正月にはご開帳されるらしいので、一度は拝見したいものと思っています。
妖怪大全科(秋田書店)他、怖い本アップしました
夏といえば怪談。お盆が近づいてくると、なぜかこのテの話題が多くなりますね。

この時季、安芸門徒の多い広島では、お墓に供える色とりどりの灯篭が店先に並びます。そういえば、子どもの頃、「子供会」の活動費を稼ぐため、みんなでリヤカーに灯篭を積んで売って歩いたなぁ。今から思えば、こんな宗教色の濃い活動に、よくまあクレームがこなかったなと思います。のどかな時代でしたね。仏教の教義など知らない子どもでも、自然と「あの世」や「ご先祖さま」を意識させられる時代でした。良くも悪くも、共同体の教育力が強かった。だから今でも、あの色とりどりの灯篭を見ると、「今頃、ご先祖さまたちは、きっとウキウキと里帰りの準備をしているんだろうな。早く帰ってお迎えの準備をしなくちゃ!」と思ってしまうのです。

ということで、怖い本を数冊アップしました。秋田書店の「妖怪大全科」「怪奇大全科」は絶版のレアもの。ペーパーバックで文庫サイズというチープさと、濃い~イラストが受けるのか、人気のシリーズです。
坂田靖子の「伊平次とわらわ」(潮出版)はご愛嬌。墓守の伊平次と犬に憑依した「わらわ」のやりとりがコミカルで、怖いどころか癒しの一冊なんだけど、大好きな作品なので。疲れた現代人にオススメの一冊、いやニ冊か。お盆休みにいかがですかぁ~?

ターシャ・テューダー関連の本をアップしました。

絵本作家であり、ガーデニングの名手でもあるターシャ・テューダーの本は数多く出版されています。日本では数年前にNHKで特集番組が放映されて以来ファンが激増し、2年前には全国の百貨店で「ターシャ・テューダー展」が開催されました。私も足を運んだ一人です。

1800年代の生活を手本として、自給自足の生活を貫きながら、創作活動を続けたターシャさん。会場には彼女が愛用していた食器や家具や手作りのもの~ろうそく、毛糸、洋服やぬいぐるみ、ドールハウスなど~が展示されていて、大切に使い込まれた一つひとつの物が彼女の生活ぶりを雄弁に語ってくれていました。

彼女が作り出したものの中で、一番有名なのはおそらく美しい「庭」でしょう。今回アップした「ターシャの庭づくり」では、その見事な庭ができあがっていく様子が美しい多くの写真で記録されています。付録として、石垣作りを依頼するためにターシャ自らが描いたイラストが付いており、さすが絵描きだけに、それだけ切り取って飾っても味わいのある絵に仕上がっています。

これらターシャ・テューダー関連の本がファンの心をとらえる理由の一つは、写真の見事さです。リチャード.W.ブラウンの写真はどれも本当に綺麗です。植物の瑞々しさや庭全体を包む青々とした匂いまで伝わってくるよう。ターシャを写した数々の写真は、自分の生き方を貫いた彼女の凛とした美しさを写し出しています。90歳を過ぎた女性をモデルにして、これだけ美しい写真はかつて見たことがありません。

残念ながら、ターシャ・テューダーさんは2008年に亡くなりましたが、私たちはこれら多くの写真集を通して、彼女を偲ぶことができます。「幸せは創りだすもの」~彼女の言葉はどんな格言よりも胸に沁みます。

倫理学関係の本80冊をHPにアップしました。現在流通していない稀少本も数冊あります。
お見逃しなく!

先日NHKで、ハーバード大学サンデル教授の講義「白熱教室」の日本版を放映していて、興味深くみました。会場は広島大学。「ヒロシマ」と「フクシマ」、「原爆」と「原発」問題を基調として、“正義”という定義を編み直してみようという面白い試み。講師は東大の川本隆史教授で、学生から高齢の方まで幅広い世代が参加されていました。被爆者の方もたくさんみえていたようで、積極的に発言されてたのが印象的でした。学生達の中には知った顔がチラホラ・・・・キャンパスは目と鼻の先なのに、ハァ~できたら参加したかったな~。
今回アップした本の中には、会場で話題になっていたロールズの正義論に言及したものも数冊ありますぞ。

オープニングセールやります!とHPにバナーを貼った途端、注文が2件入りました。ありがとうございます! ゴーリーの絵本が2冊。これは出るな、と思った本がやっぱり出ますね。

それにしても、画像がアップできないのが悔しい!いろいろためしているのですが、何が原因なのか・・・。もうしばらくあがいてみます。なにしろ絵本は絵が命ですから。
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